ウォリア

防具:板金鎧(Plate)
射程:近接攻撃(Melee)
参照ステータス:腕力(Strength)
MPの呼称:レイジ(Rage)
対応種族:全て

概要

ウォリアはWoWでは「最も基本的なクラス」という位置付けがされています。《突撃/Charge》や《ヒロイック リープ/Heroic Leap》で敵陣に真っ先に突っ込んでいく斬り込み隊長で、最前線で戦う花形役者を務めます。タンク(壁役)である プロテクション(Protection) は《突撃/Charge》が《インターセプト/Intercept》に置き換わっていて、敵だけでなく味方を対象にして撃つことも出来るようになっています。板金鎧(Plate) を着ているせいで、普段の移動速度はかなり遅い部類ですが、敵を前にした時や味方を守る時には素早く前線に駆け付けられます。

《突撃/Charge》は戦闘開始の合図になる場合が大半です。

ウォリアは全クラス中で装備品の性能が最も反映されるクラスと言われています。特に防御に特化したタンクである プロテクション(Protection) と、範囲攻撃に特化した フューリー(Fury) の二つのスペシャリゼーションは、装備品の性能が顕著にあらわれます。高性能の防具で全身を固めたプロテクションウォリアは、雑魚敵を何十匹とかき集めてきても傷一つつきませんし、強力な武器を携えたフューリーウォリアは、敵の大群に突っ込んでいっては屍山血河を一瞬で築くほどの暴力の化身へと成長します。特にPvP(プレイヤー同士の戦い)では高レベルの装備を揃えたウォリアは手が付けられないほど暴れ回れるようになります。ただ、装備品を揃えきるまでは苦労する場面もあり、特に防御が紙切れ同然の状態のプロテクションウォリアには残念ながらタンク役が満足に務まりません。装備品やプレイヤースキルに自信がない時は、ダンジョンやレイド戦やPvPのバトルグラウンドなど、大勢のプレイヤーが参加する場面ではタンク役に志願するのを控えておきましょう。

紙防御のタンクに率いられたパーティは、
割とこのカードのフレーバーテキストそのままの状況に陥ります…。

装備品が整う前の段階では、アームズ(Arms) のスペシャリゼーションが比較的有効です。アームズだけが使える《コロッサス スマッシュ/Colossus Smash》は、攻撃と同時に「自分が相手に与えるダメージを 10秒間 +30% する」Debuff(一時的な弱体化効果)をかけます。厳密には「相手の防御力を下げる」わけではないので、自分以外の他のパーティメンバーが与えるダメージは通常どおり扱われますが、自分一人にとっては「短時間相手の防御力を下げる」というイメージで問題ないかと思います。この効果のお陰で効率的にダメージを与えていけます。他にもアームズだけが使える《必殺の一撃/Mortal Strike》は、攻撃と同時に「相手にかかる回復効果を 10秒間 -25% する」という強力なDebuffをかけます。回復アビリティを使ってくるNPCはあまり多くはありませんが、いざそういった相手と戦う時には大きな効果が期待できるでしょう。言うまでもなく《必殺の一撃/Mortal Strike》はPvPでは大活躍します。

PvPではフレーバーテキストの言う通りです。

ウォリアのMPである「レイジ(Rage)」は「通常攻撃でダメージを与えること」と「ダメージを受けること」、そして「レイジを生成する技を使うこと」で上昇します。基本的にレイジを消費する技は強力で、独自クールタイムを持つものも多いです。アームズ(Arms) は通常攻撃によるレイジの上昇率が最も高く、逆に プロテクション(Protection) は通常攻撃ではほとんどレイジが溜まりません。逆にプロテクションは持ち前の頑丈さのお陰でダメージを受けることによるレイジの生成が容易です。フューリー(Fury) はレイジを生成する技を数多く持っているので、基本的に技を連打して戦う事になります。

ウォリアの長所

  • 装備品が優秀だとものすごく強くなる。
  • 連戦が得意。レイジは戦っていれば自然と溜まっていくので、死にさえしなければ戦い続けられる。敵を倒すと《ビクトリー ラッシュ/Victory Rush》で攻撃と同時に 最大HPの20% を回復できるのも強み。
  • 《突撃/Charge》もしくは《インターセプト/Intercept》と《ヒロイック リープ/Heroic Leap》で瞬間的に高速移動できる。敵陣に突っ込んでいって戦端を開くのが得意。PvPではこれらの移動アビリティを使って《タールの罠/Tar Trap》や《ブリザード/Blizzard》のような鈍足Debuffの効果範囲から素早く脱出できる。
  • 《挑発/Taunt》で敵の攻撃を引き付けられる。PvEでは他の味方を守る盾になれる。
  • 範囲攻撃手段が豊富。アームズとフューリーは《旋風剣/Whirlwind》と《嵐神剣/Bladestorm》を持つ。アームズはそれに加えて《横殴りの斬撃/Sweeping Strikes》を擁する。フューリーの《旋風剣/Whirlwind》には「次の2回分の単体攻撃が、周囲の4体の敵にも当たるようになる」という追加効果があり、《暴走/Rampage》などの非常に強力な単体攻撃が範囲攻撃化する。プロテクションはそれらの攻撃手段を持たない代わり、《報復/Revenge》と《サンダー クラップ/Thunder Clap》を備える。
  • 《バトル シャウト/Battle Shout》でパーティメンバー全員の攻撃力を上昇させるBuffをかけられる。効果は 1時間 も持続するため、頻繁にリフレッシュする必要がない。
  • 《レリイング クライ/Rallying Cry》で近くにいるパーティメンバー全員の最大HPを 10秒間 +15% できる。危険な範囲攻撃をしてくるボスと戦う際に、形成を立て直すチャンスを作れる。
  • 《バーサーカー レイジ/Berserker Rage》で 恐怖(Fear)、昏倒(Sap)、無力化(Incapacitate) の3つの状態異常を解除し、6秒間 これらの状態異常に対して無敵になれる。恐怖(Fear)、昏倒(Sap)、無力化(Incapacitate) の状態異常を解除する方法はかなり限定されるため、広範囲に一斉に厄介なDebuffをかけるボスとの戦いでも戦線を維持できる。
  • クールダウンが 15秒 のインタラプト技《パメル/Pummel》を持つ上、《インティミデーティング シャウト/Intimidating Shout》で周囲の敵に 恐怖(Fear) の状態異常をかけられる。タレント次第ではスタン技の《ストーム ボルト/Storm Bolt》をそこに追加できる。さらにそれに加えてプロテクションは範囲スタン技の《衝撃波/Shockwave》も持つため、インタラプト性能は全クラス中でもかなり優秀な部類に入る。
  • 《アバター/Avatar》で 移動不能状態(Root) を解除できる。(ただしフューリーのみ《アバター/Avatar》を使えない。)

ウォリアの短所

  • 優秀な装備品が整うまでは苦戦を強いられる事もしばしば。
  • 回復手段が少ない。《ビクトリー ラッシュ/Victory Rush》は敵を倒さなければ使用できないため、エリートやボスと戦う時には自発的な回復手段がかなり限定されてしまう。タレントの《インペンディング ビクトリー/Impending Victory》は《ビクトリー ラッシュ/Victory Rush》を「戦闘中にも撃てるし、敵を殺すとクールダウンをリセットする」という上位互換版で書き換えるが、他のタレントを犠牲にしなければ習得できない。一応プロテクションは《シールド ブロック/Shield Block》や《イグノア ペイン/Ignore Pain》で受けるダメージを減らせる。フューリーは《吸血衝動/Bloodthirst》で攻撃と同時に 最大HPの6% を回復することが出来る上、《インレイジド リジェネレーション/Enraged Regeneration》をかけると 8秒間 だけ被ダメージを 30% 軽減しつつ《吸血衝動/Bloodthirst》の回復効果を +20% する効果を得られる。しかし他のクラスが擁する回復手段と比較すると若干心もとない。
  • 通常の移動速度が遅い。《突撃/Charge》や《インターセプト/Intercept》はタレント次第では 2チャージ しておけるものの、クールダウンが 17秒 もしくは 15秒 ある。《ヒロイック リープ/Heroic Leap》はクールダウンが 45秒。一応タレントで 15秒 短縮できる。また、パッシブタレント《ウォー マシン/War Machine》を習得すると、敵を倒した際に移動速度が 30% 上昇する。しかしそれらはいずれもタレントで、何かを犠牲にしなければ習得できない。《突撃/Charge》や《ヒロイック リープ/Heroic Leap》がクールダウン中だった場合は基本的に素早く動けない。

スペシャリゼーションの方向性

基本的に全てのクラスが「スペシャリゼーション(Specialization)」と呼ばれる戦闘スタイルを3つ持っています。スペシャリゼーションを切り替えるだけで、全く別のキャラクターになったかのように操作性や戦術をガラッと変えられます。今のスペシャリゼーションがもしも自分に合っていないなぁと感じるなら、他のスペシャリゼーションに切り替えてプレイしてみましょう。スペシャリゼーションは戦闘をしていない状態でなら、基本的にいつでもどこでも変更できます。(ただしミシックダンジョンに挑んでいる時など、例外がいくつかあります。)

スペシャリゼーションは画面右下のこのボタンから変更できます。

― アームズ(Arms)/近接DPS

武器:両手持ち近接武器(Two-Hand Melee)

概要で述べたとおり、Debuffを駆使して器用に戦うことができる構成です。攻撃と同時に防御力低下Debuffをかける《コロッサス スマッシュ/Colossus Smash》と、攻撃と同時に相手の回復効果を阻害するDebuffをかける《必殺の一撃/Mortal Strike》が非常に強力です。範囲攻撃も優秀で、《旋風剣/Whirlwind》と《嵐神剣/Bladestorm》が使える上、《横殴りの斬撃/Sweeping Strikes》を使うと、短時間自分の単体攻撃が隣にいる敵にも当たるようになります。ですので単体攻撃も範囲攻撃も器用にこなせます。《叩き付け/Slam》、《ぶった切り/Cleave》、《止めの一撃/Execute》など、ハースストーンでおなじみの呪文を数多く使えるため、ハースストーンから入る人にとっては親しみやすいかもしれません。

ただ、出来る事が比較的多いため、操作がやや複雑です。どの技にレイジを消費するかを状況を見極めてその場で変えていった方がダメージ効率が高まります。レイジを溜めるアビリティは《突撃/Charge》と《アバター/Avatar》と通常攻撃のみで、他の攻撃はほとんどレイジを消費するか、タダで撃てる代わりに独自クールタイムを持つものが大半だと覚えておくとよいでしょう。通常攻撃がクリティカルした場合は 30% 多くレイジを生成しますし、仮にクリティカルしなかったとしても一発殴るだけで技1回分のレイジを余裕で稼ぐ破格の性能を持っています。クリティカルのステータスを重視して装備品を選ぶとアビリティの回転効率がさらに高まります。


― フューリー(Fury)/近接DPS

武器:両手持ち近接武器(Two-Hand Melee) ×2/二刀流(Dual Wield)

Debuffとか難しい事はどうでもいいから、とにかく武器をブン回して手当たり次第にブッ壊しまくってブッ殺しまくればそれでいい!という開き直った構成です。パッシブの《タイタン グリップ/Titan’s Grip》の効果で「両手持ち近接武器(Two-Hand Melee) を片手で握って二刀流する」という離れ業をやってのけます。巨大な剣や鈍器を振り回して大暴れする派手なアクションは実に豪快で、最前線で活躍する花形役者に相応しい活躍をします。特に高性能の武器防具を揃えたフューリーウォリアはPvPでは手が付けられないほどの強さにまで成長します。「暴れるだけでいい!」という単純明快なコンセプトのお陰で初心者でも比較的扱いやすい長所を持ちますが、優秀な武器防具を入手するとPvPでも凄まじい活躍をするため、上級者にも愛好者が多いです。

アームズでは「レイジを消費する技」だった《旋風剣/Whirlwind》と《嵐神剣/Bladestorm》が、フューリーではなんと「レイジを生成する技」に変わっています。そのため必然的に《旋風剣/Whirlwind》を乱射する事になるので、ウォリアが立っている場所がダメージの暴風雨に見舞われる事になります。しかもアームズとは決定的に異なる特徴として、フューリーの《旋風剣/Whirlwind》には「次の2回分の単体攻撃が、周囲の4体の敵にも当たるようになる」というBuffを発生させる追加効果があります。ですので《暴走/Rampage》や《レイジング ブロウ/Raging Blow》や《吸血衝動/Bloodthirst》は元々単体攻撃であるにもかかわらず、事実上範囲攻撃と読み替えてもほぼ差し支えありません。計5体までという上限はあるものの、定期的に《旋風剣/Whirlwind》を撃つ事さえ忘れなければ、周囲の敵に凶悪無比な範囲ダメージを連続して叩き込めるようになります。さらには《吸血衝動/Bloodthirst》には 45%、《暴走/Rampage》には 100% 確実に「エンレイジ/Enrage」というBuffをかける効果があり、「エンレイジ/Enrage」中には攻撃力に +24%、攻撃速度(Haste) に +25% のボーナスがかかります。ただでさえ範囲攻撃を乱射できるのに、その範囲攻撃が「攻撃すればするほどダメージ効率と攻撃速度が高まる」という相乗効果を発生させます。この効果のお陰でフューリーウォリアは全クラス中で最も強烈な範囲DPS(時間毎ダメージ)を叩き出すまでに至ります。しかも《突撃/Charge》や《ヒロイック リープ/Heroic Leap》で高速で突っ込んでくるため、メイジの《フロストノヴァ/Frost Nova》やドルイドの《マス エンタングルメント/Mass Entanglement》でもなければ満足に足止めすら出来ません。バージョン7 まではこれに加えて《アバター/Avatar》まで使用可能だったため、移動無効化(Root) の解除方法までありました。さすがにあまりにも凶悪に過ぎたので現在では若干ナーフされましたが、それでもなお狂戦士と呼ぶに相応しいその暴れっぷりは、「歩く大災害」として恐れられています。

難点は優秀な武器防具が揃うまでは最も貧弱なこと。「重い一撃を繰り出すタイプ」ではなく「ダメージを与える回数が多い」タイプなので、相手の装甲が硬いとダメージが通りにくくなってしまう欠点があります。また、範囲攻撃が鬼のように強い反面で単体攻撃ではアームズに一歩及ばないので、強敵と一対一戦闘をする場合は不利になってしまう事もあります。戦闘中に《吸血衝動/Bloodthirst》でダメージを与えつつ自己回復するというのが基本戦術ですが、回復量が「最大HPの6%」であるため若干心もとないです。《インレイジド リジェネレーション/Enraged Regeneration》を使うと 8秒間 だけ《吸血衝動/Bloodthirst》の回復量を +20% できますし、Buffがかかっている間は自分が受けるダメージが 30% 減少します。しかし《インレイジド リジェネレーション/Enraged Regeneration》のクールダウンは 2分 であるため、あくまでも「緊急時の保険」程度に考えておかなければなりません。回復量を底上げするためには良質の防具を集めて スタミナ(Stamina) を高めなければなりませんし、それだけの装備を整えるには手間と時間がかかります。


― プロテクション(Protection)/タンク

武器:片手近接武器(One-Hand Melee) + 盾(Shield)

ウォリア以外にもタンク役ができるクラスはいくつもあります。しかし 板金鎧(Plate) + 盾(Shield) という鉄壁の防具を装備できるのは、ウォリア以外にはパラディンだけです。もちろん装備品の質にもよりますが、同じレベルの装備品を所持している前提で比べた場合、全クラス中で最も高い防御力を誇ります。この優れた防御力のお陰で、レイドボスのような尋常ではない攻撃力を持った相手に対してもしっかりと壁役を果たす事が出来ます。優秀な防具で完全武装したプロテクションウォリアは、雑魚敵を何十匹とかき集めてきてもたった一人で捌ききってしまうほどにまで成長します。そのため アイランド エクスペディション(Island Expedition) など、敵が密集している戦場ではかなり無茶な戦い方が出来ます。《ヒロイック スロウ/Heroic Throw》を唯一連射できる構成なので、方々に武器を投げつけて敵を釣ってきてはまとめて《衝撃波/Shockwave》でスタンさせたり《デモラライジング シャウト/Demoralizing Shout》で攻撃力を下げたりし、《報復/Revenge》や《サンダー クラップ/Thunder Clap》で一網打尽にできます。

難点はウォリアの弱点である「回復手段に乏しい」という事に尽きます。タレントの《インペンディング ビクトリー/Impending Victory》を習得して、《ビクトリー ラッシュ/Victory Rush》を戦闘中にも撃てる上位互換版で置き換えたとしても、クールダウンが 30秒 もあるため過信はできません。《シールド ブロック/Shield Block》や《イグノア ペイン/Ignore Pain》でクールダウン中の防御をまかなうのが定石ですが、強敵を相手にする場合はヒーラーのサポートが必須です。ただ、効率的に防御アビリティを回すコツを掴んだり、相手のボスの攻撃パターンを研究したりして対策できると、ヒーラーの世話になる機会はぐっと減るかもしれません。