防具:衣服(Cloth)
射程:遠距離魔法(Ranged Spell)
参照ステータス:知力(Intellect)
MPの呼称:マナ(Mana)/アーケーン(Arcane) のみ マナ(Mana) + アーケーン チャージ(Arcane Charge)
武器:両手持ち錫杖(Two-Hand Staff) or 杖(Wand) + 魔導器(Off-Hand)/全スペシャリゼーション共通
対応種族 :トーレン(Tauren) と ハイマウンテントーレン(Highmountain Tauren) 以外全て
概要
メイジは遠距離DPS(攻撃役)の筆頭です。離れた場所からダメージを与える事に特に優れたクラスとしてまず名が上がります。ですが、防御力が低い事でもまず名が上がるクラスです。攻撃力とユーティリティスペルにステータスを全振りしているので、全クラス中で最も死にやすいです。ですので初心者さんには残念ながらあまりお勧めできません。「ハースストーンだとチュートリでまず初めに触ったクラスだし、きっと初心者向きなんだろうな」なんて思ってメイジでWoWをスタートすると、苦労の連続になりかねません。ですので特にソロでWoWを始める場合はハンターやウォーロックなどのPvE(モンスターとの通常戦闘)に向いているクラスでスタートする方がいいかもしれません。逆にメイジを触ってからハンターやウォーロックに鞍替えすると、前衛がいるってなんてありがたいんだ!と痛感する事でしょう。パーティプレイする時もそれは同じで、ウォリアやパラディンやデスナイトのパーティメンバーが頑張って前衛をしてくれていると、持ち前の優れた火力でサクサク敵を葬れます。

メイジはWoWのメインストーリーに深く関わっています。バージョン6 の「ワールド オブ ドラエナ(World of Draenor)」とバージョン7 の「リージョン(Legion)」では、大魔導士カドガー(Khadgar) が大活躍しました。ハースストーンではおなじみの ジェイナ プラウドムーア(Jaina Proudmoore) は バージョン8 の「バトル フォー アゼロス(Battle for Azeroth)」では主役級のキャラクターとして描かれています。そもそも ダーク ポータル(Dark Portal) を開いて 惑星アゼロス(Azeroth) と ドラエナ(Draenor) を繋ぎ、オーク(Orc) の大部隊をアゼロスに招き入れるきっかけを作った メディヴ(Medivh) もメイジです。

歴史をさらに遡れば、久遠の聖泉(Well of Eternity) をポータルに改造して 悪魔の軍団「バーニング リージョン(Burning Legion)」をアゼロスに迎え入れた 女王アジャーラ(Queen Azshara) も元々はメイジです。アジャーラは現在では 旧神ン=ゾス(N’Zoth) の影響でナーガの女王になっています。

メイジが「パーティプレイに向いているクラス」と評される理由は、なにも戦闘時のスペックだけが原因ではありません。メイジは《コンジャー リフレッシュメント/Conjure Refreshment》で食べ物を生成できます。パーティプレイしている時に《コンジャー リフレッシュメント/Conjure Refreshment》を使うと食べ物のテーブルがあらわれ、パーティメンバー全員がテーブルをインタラクト(マウスカーソルが歯車になっている時にクリックして対象を操作する事)して食べ物を生成できます。戦闘外でHPやマナを高速回復したい場合、メイジがいれば食べ物にコストを割く必要がなくなります。Lv120にもなるとあまり戦闘外の回復を気にする必要はないかもしれませんが、スペシャリゼーションを変更した直後にMPがカラになってしまうヒーラーにとっては、食べ物はかなりありがたい存在です。

また、《魔力なる知性/Arcane Intellect》は味方の呪文攻撃力を上昇させるBuff(一時的な強化効果)をかける呪文で、パーティプレイをしている間は一度撃つだけでパーティ全員にかかります。効果は 1時間 も持続するので、頻繁にかけ直しする必要もなく、非常に便利です。

メイジだけが持つ非常に大きなメリットとして絶対に外せないのはポータル呪文の存在です。テレポート呪文を駆使して世界各地の主要都市を一瞬で行き来出来るのはメイジだけです。メイジとパーティを組んでいるメンバー全員がポータルにインタラクトできるため、パーティにメイジがいるだけで全員の活動が非常にスムーズになります。また、ソロで活動する際には「ホームポイントにテレポートする」効果を持つ「ハースストーン(Hearthstone)」をより効果的に使えます。「戻ってくる場所」ではなく「行き先」をホームポイントに指定して、「往路」でハースストーンを使って、「復路」では自前のポータルで戻ってこれます。アライアンス側ではメカゴン、ホード側ではミッションボードのあるシルヴァナスの船「バンシーズ ウェイル(Banshee’s Wail)」にはビミョーにアクセスしづらいです。これらの「頻繁に訪れる必要があるけれど行くのが手間な場所」をホームポイントにしておくと、活動効率が大幅に高まります。

という効果を持ったアイテムだったのです。
ポータル呪文を覚えるには、Lvを一定以上に上げてから主要都市のポータルトレイナーから習う必要があります。Lv111になれば全ての行き先を覚えられます。習得には若干のゴールドがかかります。

遠距離職であるメイジにとって、敵との相対位置は非常に重要です。敵に接近されてしまった場合に役に立つのが《フロストノヴァ/Frost Nova》と《ブリンク/Blink》です。ハースストーンでおなじみの《フロストノヴァ/Frost Nova》は相手を 凍結(Freeze) させる効果を持っており、相手の移動を封じてその場に釘付けにします。タレント次第では 2チャージ しておけます。《ブリンク/Blink》は「前方に短距離テレポートする」呪文で、《フロストノヴァ/Frost Nova》を撃った直後に使用すると一瞬で敵から距離を取れます。これはPvEだけでなくPvP(プレイヤー同士の対戦)でもかなり有効な逃走手段です。《ブリンク/Blink》もタレント次第では 2チャージ しておける《シマー/Shimmer》にアップグレードできます。《フロストノヴァ/Frost Nova》も《ブリンク/Blink》もどのスペシャリゼーションであっても使用できます。ただ逃げる方向には気を付けましょう。もしも逃げた先が敵陣のど真ん中だった場合は…《アイスブロック/Ice Block》を使って時間稼ぎをして《フロストノヴァ/Frost Nova》と《ブリンク/Blink》のクールダウンを待つか、あるいは死を覚悟しましょう。

《アイスブロック/Ice Block》もスペシャリゼーションを問わず使える呪文です。「一定時間無敵になる代わりに何も出来なくなる」というBuffを自分にかける呪文で、効果は 10秒間 持続します。10秒 経つ前に行動したい場合、或いは誤って《アイス ブロック/Ice Block》を撃ってしまって早く氷から脱出したい場合は、画面右上に自分にかかっているBuffの一覧が出ますので、《アイスブロック/Ice Blcok》のアイコンを右クリックしましょう。《アイスブロック/Ice Block》に限らず、大半のBuffはこの方法で任意のタイミングで解除できます。
メイジの長所
- 遠距離からの攻撃能力が全クラス中で最も高い。
- 概要で述べたとおり、テレポートとポータルが非常に便利。たまたま街で出会った人にタクシーサービスをするとチップをはずんでくれる事もある。
- 《魔力なる知性/Arcane Intellect》で味方の呪文攻撃力を高めるBuffをかけられる。
- 《コンジャー リフレッシュメント/Conjure Refleshment》で食べ物を生成できる。マナ消費が非常に激しい アーケーン(Arcane) スペシャリゼーションにとっては生命線。
- 《動物変身/Polymorph》で敵単体を戦闘から排除できる。使い勝手はローグの《昏倒/Sap》やハンターの《凍結の罠/Freezing Trap》とほぼ同じ。ダメージで効果が解除されてしまうので注意。
- 《フロストノヴァ/Frost Nova》がPvEでもPvPでも非常に強力。
- 《対抗呪文/Counter Spell》で遠距離からでもインタラプトできる。ハンターの《カウンター ショット/Counter Shot》と性能はほぼ同じ。
- 緊急時には《インビジビリティ/Invisivility》もしくは《グレーター インビジビリティ/Greater Invisibility》で透明化して逃げられる。ローグの《退散/Vanish》とほぼ同じ性能を持つため確実性が非常に高い。
- 《スロウ・フォール/Slow Fall》により落下ダメージを軽減できる。空中でもキャストできるし、「離陸」前にBuffをかけておいてからマウントしてダッシュでジャンプするとグライダーのように飛行できる。(ただし離陸した後は方向転換ができないため、トンでもない場所にまで飛んで行ってしまう事も。)
メイジの短所
- とにかく脆い! 雑魚敵相手でさえ死と隣り合わせになる事も。ソロプレイ時には可能な限り一体ずつ敵を仕留めていく事を心がけた方が賢明。強力な装備品が揃って無茶が出来るようになるまでは、多対一の不利な戦闘は極力避けた方がいい。
- 脆さと扱いづらさが故に初心者にはお勧めできない。
- スペシャリゼーションを変えても遠距離DPSしかできない。
- 戦闘中の回復手段がほぼ皆無。装甲(Absorb Damage) 効果を得る呪文はいくつかあるが、「減ったHPを回復するアビリティ」はゼロに等しい。結果として高価なポーションをがぶ飲みするか、諦めて死ぬかを選ばなければならないシーンがままある。
- 徒歩での移動速度が遅い。《ブリンク/Blink》である程度は補える。
- インタラプトアビリティやノックバックアビリティを持った敵を相手にする際にものすごく苦戦する。特にノックバックなどの強制移動で呪文詠唱が中断させられてしまう事には注意しなければならない。インスタント呪文や移動詠唱可能な呪文が多い ファイア(Fire) スペシャリゼーションはこの弱点をかなり克服している。
- 沈黙(Silence) の状態異常が致命的に刺さる。物理で殴ってもほとんどダメージを与えられない上に補助呪文さえ封じられてしまう。沈黙状態から抜け出すまでは攻撃はおろか防御すらもほぼ諦めなければならない。しかも範囲指定型の沈黙効果だった場合は《ブリンク/Blink》が封じられているため、状態異常の効果範囲からの脱出さえも困難になってしまう。状況次第では沈黙が直接的な死因になり得る。
スペシャリゼーションの方向性
基本的に全てのクラスが「スペシャリゼーション(Specialization)」と呼ばれる戦闘スタイルを3つ持っています。スペシャリゼーションを切り替えるだけで、全く別のキャラクターになったかのように操作性や戦術をガラッと変えられます。今のスペシャリゼーションがもしも自分に合っていないなぁと感じるなら、他のスペシャリゼーションに切り替えてプレイしてみましょう。スペシャリゼーションは戦闘をしていない状態でなら、基本的にいつでもどこでも変更できます。(ただしミシックダンジョンに挑んでいる時など、例外がいくつかあります。)

― アーケーン(Arcane)/遠距離DPS
MPのタイプ: マナ(Mana) + アーケーン チャージ(Arcane Charge)


移動せずに呪文を乱射する「固定砲台」プレイをする場合、アーケーンは最大出力を誇ります。特に《魔力の炸裂/Arcane Blast》はメイジの全スペシャリゼーションだけでなく、全クラスの全スペシャリゼーションのアビリティを比較しても最高レベルの威力を持ちます。メイジを「遠距離攻撃能力最強」と言わしめる一番の要因ではないでしょうか。コンディションが良い時であれば、2~3発呪文を唱えるだけであっという間に雑魚敵を始末してしまう程のとてつもない威力を持ちます。ダンジョンやレイド戦ではこの超強力な攻撃呪文は大活躍します。ただし《魔力の炸裂/Arcane Blast》は「アーケーン チャージ(Arcane Charge)」の影響を非常に強く受けるため、最大出力を発揮するためにはチャージを貯めるところからスタートしなければなりません。
アーケーンスペシャリゼーションには マナ(Mana) の他に「アーケーン チャージ(Arcane Charge)」というローグのコンボポイントに似たステータスを持ちます。

緑のメーターがHP、青いメーターがマナ、そして4つのメダルが アーケーン チャージ です。アーケーンチャージの最大値は4ポイントで、ローグの「フィニッシング ムーブ(Finishing Move)」のように「溜まっているポイントを全て消費して強力なダメージを与える」《アーケーン バラージ/Arcane Barrage》もあります。しかし「アーケーンチャージが溜まった状態だと威力が上がる」呪文が多いため、ローグのように「ポイントをためては消費して溜め直すのを繰り返す」の で は な く、基本的に「溜めた状態を維持する」プレイングになるかと思います。マナは時間経過で回復しますが、アーケーン チャージ は時間経過で減衰します。ですので可能なら《コンジャー リフレッシュメント/Conjure Refreshment》で作った食べ物などでマナ回復をスムーズに済ませ、次の戦闘に移りたいところです。
《魔力の炸裂/Arcane Blast》は アーケーン チャージ が溜まるごとに威力が飛躍的に高まります。初期状態では威力がイマイチである上に詠唱時間が 2秒 なのですが、アーケーン チャージ が溜まるごとに威力が高くなるだけでなく詠唱時間まで短縮されます。1ポイント で 1.8秒に、2ポイントでは 1.7秒に、3ポイントで 1.5秒に、そして 4ポイント フルで溜まった状態なら 1.3秒 にまで短縮されます。《プレゼンス オブ マインド/Presence of Mind》というアビリティを使うと、「次の2発分の《魔力の炸裂/Arcane Blast》をインスタントキャストできる」効果を得られるため、アーケーン チャージ が溜まっていない状態であれば「暖機」をスムーズに行えます。既に満タンにチャージしている時に使えば雑魚敵を瞬殺する事もできるでしょう。ボス戦では最大出力状態で《魔力の炸裂/Arcane Blast》を連発しているだけでも大いに活躍できます。
ただ、最大出力状態の《魔力の炸裂/Arcane Blast》には「マナをバカ食いする」という欠点があり、そのせいでアーケーンは3つのスペシャリゼーション中で唯一マナ枯渇を頻繁に起こします。戦闘外でなら単に食事をとれば済む話なのですが、戦闘中には食事ができません。ですので頼みの綱はマナを回復するポーションか、或いはマナを回復するアビリティになります。《アーケーン パワー/Arcane Power》は 10秒間「呪文ダメージが +30% され、呪文のマナコストが -30% される」というBuffをかけるアビリティで、クールダウンは 1分半 です。《イヴォケーション/Evocation》はマナを高速回復するアビリティで、チャネリング中にマナ回復速度を +750% します。マナがほぼゼロの状態から 6秒 あれば満タンにまで回復させられます。ただし《イヴォケーション/Evocation》のクールタイムは 1分半 であり、チャネリング中に移動したりインタラプトを食らったりすると効果が切れてしまう事には注意してください。タレント次第では《イヴォケーション/Evocation》中に移動しても効果が切れないようにする事もできます。他には《イヴォケーション/Evocation》と同じような効果を持ったハート オブ アゼロス(Heart of Azeroth) の メジャー パワー(Major Power)「メモリー オブ ルシッド ドリーム(Memory of Lucid Dreams)」を起動するのもいいでしょう。逆に言うと、メモリー オブ ルシッド ドリーム をメジャースロットに配置しなければならないほどMPをバカ食いする構成はアーケーンメイジ以外には滅多にありません。燃費の悪さは全クラス中でも最高レベルの破壊力を持ったが故の代償といったところでしょう。
また、アーケーンはPvPがやや苦手です。《魔力の炸裂/Arcane Blast》も《イヴォケーション/Evocation》も詠唱時間が長いため、インタラプトされやすい欠点があります。インタラプトを食らってアーケーン系統の呪文をロックされてしまった場合、ブリンクもロックされてしまうため相手から距離を取りにくくなってしまいます。一応、《プレゼンス オブ マインド/Presence of Mind》や「一瞬で アーケーン チャージ を 4チャージ 溜める」という効果を持った《チャージ アップ/Charge Up》を使えば「暖機」を比較的スムーズに行えますが、全クラス中でも最高レベルのダメージソースを放置する相手はそういません。集団戦闘になって《魔力の炸裂/Arcane Blast》のエフェクトを見たら、まず真っ先に使用者を特定されてターゲットにされるため、呪文詠唱を完遂する間もなくタコ殴りにされて昇天する事もしばしばです。そのため、PvPではむしろ積極的に アーケーン チャージ を使い切って《アーケーン バラージ/Arcane Barrage》を放っていった方がいい場合もあり、メイジでありながらもローグのような戦い方をしなければならなくなります。ファイアのスペシャリゼーションもかなりのプレイヤースキルを要求する構成ですが、PvP仕様のアーケーンメイジはそれ以上に操作が難しくなってしまう可能性があります。PvPではファイアの方が優れた点も多いため、アーケーンはあくまでも「PvEで固定砲台をする時に最強」と考えておいた方がいいかと思います。
また、《魔力の炸裂/Arcane Blast》が単体攻撃であるため、範囲攻撃では フロスト(Frost) のスペシャリゼーションに大きく劣ります。複数の敵を一斉に相手にしなければならない場合はスペシャリゼーションを変更した方がいいかもしれません。
― ファイア(Fire)/遠距離DPS


「PvP仕様のメイジ」と断言してしまって差し支えないほど「尖った」スペックを持っています。呪文詠唱を必要としない代わりに独自クールダウンを持つ呪文が多く、「立ち止まって詠唱しなければならない」というメイジの弱点を極限まで減らしています。しかもパッシブの《ホット ストリーク/Hot Streak》の効果で、「2連続で呪文の直接ダメージ(炎上Dotではなく呪文本体が与えるダメージ)がクリティカルヒットした場合、次に撃つ《パイロブラスト/Pyroblast》と《フレイムストライク/Flamestrike》の詠唱時間をゼロにしてインスタントキャスト可能にする」という凄まじいアドバンテージを得られます。


このエフェクトが出たら《フレイムストライク/Flamestrike》と
《パイロブラスト/Pyroblast》をインスタントキャストできます。
ハースストーンの《ケルサス・サンストライダー/Kael’thas Sunstrider》は、この《ホット ストリーク/Hot Streak》をそのまま踏襲したような能力を持っています。《フレイムストライク/Flamestrike》の「本来の」詠唱時間は 3.5秒。《パイロブラスト/Pyroblast》に至っては 4秒 もの時間を詠唱に費やさなければなりません。それが一瞬で詠唱完了するのですから、ハースストーンで例えるなら 7マナ もしくは 10マナ 相当の呪文をタダ撃ちするようなものです。(それでもなお「呪文ダメージ +4 が載った 1マナ 10点火力」状態の《魔力の炸裂/Arcane Blast》には一歩及びませんが。)
「3回目ごとに」という能力の起動パターンが
まさに《ホット ストリーク/Hot Streak》の能力
そのものを表現していると言えます。
ただし《ホット ストリーク/Hot Streak》の発生条件を確実に満たしていくには「確実にクリティカルヒットする呪文」を要所要所で撃っていかなければなりません。《ファイアブラスト/Fire Blast》と《フェニックス フレイム/Phoenix Flames》が「確実にクリティカルヒットする呪文」ですが、それぞれ独自クールダウンを持ち、連発するとしばらく撃てなくなってしまいます。ですので《ファイアブラスト/Fire Blast》や《フェニックス フレイム/Phoenix Flames》のクールタイムをどうやって他の呪文で埋めるかが高いダメージ効率を維持するためのカギになります。もちろん、クリティカル(Critical Strike) を上昇させる効果を持った装備品で全身を固めていた場合はそれだけ《ホット ストリーク/Hot Streak》の達成がラクになります。ですので優秀な装備品を揃えて究極的に鍛え上げられたファイアメイジは、ハースストーンで例えるなら「10マナ火力呪文」を乱射できるような超火力を手に入れる事になります。ハースストーンで例えるなら「《究極の侵蝕/Ultimate Infestation》を踏み倒すミラクルドルイドのような動き」と言えるかもしれません。メイジですが…。
メリットが非常にハッキリしているスペシャリゼーションですが、他のスペシャリゼーションと比較すると扱いがかなり難しいです。《ホット ストリーク/Hot Streak》の効果はキャラクターの左右に非常に分かりやすいエフェクトで表示されるので見逃すことはないかと思いますが、必要なタイミングで《ファイアブラスト/Fire Blast》や《フェニックス フレイム/Phoenix Flames》を撃っていくのは実際にやってみると意外なほど難しいです。《ケルサス・サンストライダー/Kael’thas Sunstrider》を使ってみると、「3発目に重い呪文を撃つ」のが意外と頭を使うのと同様に、《ファイアブラスト/Fire Blast》と《フェニックス フレイム/Phoenix Flames》をいつ撃つのが適切かは、使い慣れないとなかなか見えてこないかもしれません。《ファイアブラスト/Fire Blast》も《フェニックス フレイム/Phoenix Flames》も両方ともクールタイム中になってしまった場合には火力がガクッと落ちるので、「火を絶やさないようにする」のにかなりのコツが必要になります。
《フェニックス フレイム/Phoenix Flames》はタレント呪文で、習得を諦めれば代わりに《ファイアブラスト/Fire Blast》を「クールダウン 9秒、3チャージ可能」に強化できます。手数を多くするとその分操作が複雑になってしまうため、シンプルな方が扱いやすいと思うならクリティカルのトリガーを《ファイアブラスト/Fire Blast》一本に絞るのも良いかと思います。また、使ってみて上手くいかないようなら、PvEなら他のスペシャリゼーションに乗り換えるのもアリかと思います。
― フロスト(Frost)/遠距離DPS


《フロストボルト/Frostbolt》、《アイスランス/Ice Lance》、《冷気の放射/Cone f Cold》など、ハースストーンではおなじみの凍結呪文を駆使して戦う構成です。相手を鈍足状態にして、接近される前にカタをつけるのが得意です。また、3つのスペシャリゼーション中で唯一 ミニオン(Minion) を呼べる構成でもあります。しかし残念ながら召喚した《ウォーター エレメンタル/Water Elemental》にはハースストーンのような凍結効果はついていませんし、挑発(Taunt) 能力もないので飼い主を守ってくれたりもしません。とはいえ、《冷気の放射/Cone of Cold》、《アイスバリア/ Ice Barrier》、《アイスブロック/Ice Block》、《フロストノヴァ/Frost Nova》の4つの補助/防御呪文のクールダウンを一斉にリセットして再使用可能にする《コールド スナップ/Cold Snap》を持つため、3つのスペシャリゼーション中では最も生存能力が高いです。そもそも敵に近付かれる前に始末できればダメージを受ける事もありませんから、PvEでは最も安全に狩りができる構成と言えるでしょう。
フロストは非常に優秀な範囲攻撃能力を持ちます。《ブリザード/Blizzard》は指定した範囲に鈍足効果付きの継続ダメージを与える呪文ですが、《ブリザード/Blizzard》のダメージエリアに《フローズン オーブ/Frozen Orb》を叩き込むと凄まじい AoE(範囲ダメージ) を発生させることができます。《フローズン オーブ/Frozen Orb》は「敵に当たるまで直進するオーブを真正面に向けて発射する」呪文で、オーブは敵に当たった瞬間に極端に弾速を落として周囲にダメージをばら撒きます。このダメージゾーンをさらに《ブリザード/Blizzard》で覆った上、《冷気の放射/Cone of Cold》でさらに激しい鈍足効果を与えて脱出困難にしたり、《フロストノヴァ/Frost Nova》で完全に足止めしたりすれば、複数の敵を一網打尽にすることができます。パーティプレイしている場合はタンク役に敵の誘導を頼めば《ブリザード/Blizzard》や《フローズン オーブ/Frozen Orb》の範囲ダメージを非常に有効活用できます。タレント次第では《アイスランス/Ice Lance》を範囲攻撃化することも出来ます。複数の敵を一度に相手にする必要がある場面では最も頼りになる構成です。
メイジについて単刀直入にまとめるなら、単体攻撃はアーケーン、PvPはファイア、範囲攻撃はフロスト、と覚えておけばほぼ間違いありません。防御力が低いせいで優秀な防具が揃うまでは常に死と隣り合わせですが、リスクと引き換えに得た高い攻撃力とユーティリティスペルは、パーティプレイをする時に大活躍するでしょう。