防具:革鎧(Leather)
射程:スペシャリゼーションに依存
参照ステータス:スペシャリゼーションに依存
MPの呼称:スペシャリゼーションに依存
対応種族 ▼
― アライアンス
- ナイト エルフ(Night Elf)
- ウォーゲン(Worgen)
- クル ティラン(Kul Tiran)
― ホード
- トーレン(Tauren)
- トロール(Troll)
- ハイマウンテン トーレン(Highmountain Tauren)
- ザンダラリ トロール(Zandalari Troll)
概要
ドルイドは器用かつ万能なクラスです。全クラス中で唯一スペシャリゼーションを 4つ 持つクラスで、スペシャリゼーションを変更することで近接DPS、遠距離DPS、タンク、ヒーラーの全ての役割をこなすことが出来ます。また、Lv45 のタレントで「アフィニティ(Affinity)」というアビリティを覚えます。アフィニティは「他のスペシャリゼーションから一部のアビリティを引き継ぐ」という非常に面白い効果を持っており、「やや硬いDPS」や「やや素早いタンク」や「やや硬いヒーラー」などなど、他のクラスでは実現し得ない構成のキャラクターを作れます。しかもスペシャリゼーションに関わりなく、隠れ身(Stealth) 状態になれる《プロウ/Prowl》、回復魔法《リグロース/Regrowth》、そして戦闘中にも使用できる蘇生魔法《リバース/Rebirth》を使えます。ですので通常戦闘で攻撃役をしつつ回復もできるだけでなく、その気になればタンクも出来るしローグのステルスミッションにさえ同伴可能という凄まじい汎用性を誇ります。ドルイドを一人究極的に鍛え上げれば、複数のキャラクターを作らなくても実に様々な状況に対応できます。
ドルイドは動物に変身する能力を持ちます。バランス(Balance) スペシャリゼーションは フクロウの獣人「ムーンキン(Moonkin)」に、フェラル(Feral) スペシャリゼーションは ネコ科の猛獣に、ガーディアン(Guardian) スペシャリゼーションはクマに変身します。回復魔法を使用すると自動的にもとの姿に戻ってしまうため、レストレーション(Restoration) はもとの姿で戦う事が多いです。また、「自分自身がマウントに変身する」《トラベル フォーム/Travel Form》は、どのスペシャリゼーションでも使えます。《トラベル フォーム/Travel Form》を使うと、飛べない場所ならシカに、飛べる場所なら鳥に、水中ならアシカに自動的に変身します。シカ状態の時はパーティメンバー一人を背中に乗せて運搬する事が出来ますし、そもそも通常のマウントと違って《トラベル フォーム/Travel Form》には詠唱時間がなく、移動中や空中でさえも変身可能です。ですので屋外での機動力は全クラス中で最高です。
アフィニティ一覧
バランス・アフィニティ(Balance Affinity)
【パッシブ アビリティ】
《アストラル・インフレンス/Astral Influence》:すべてのアビリティの射程が 5ヤード 広くなる。範囲攻撃にも適用され、効果範囲が広くなる。
【アクティブ アビリティ】
・《ムーンキン・フォーム/Moonkin Form》:起動するとムーンキンに変身する。(ムーンキン時には呪文ダメージが +10% され、防御力(Armor) が +125% される。また、《動物変身/Polymorph》に対する耐性を持つ。)
・《スターサージ/Starsurge》:強力な単体攻撃呪文。《ムーンキン・フォーム/Moonkin Form》時にのみ使用可能。(ただしアフィニティで使用可能になった《スターサージ/Starsurge》は単純な詠唱型攻撃呪文になっていて、インスタントキャストは出来ない。その代わり アストラル・パワー(Astral Power) を消費せずマナだけで撃てる。)
・《ルナ・ストライク/Lunar Strike》:中範囲の範囲攻撃呪文。《ムーンキン・フォーム/Moonkin Form》時にのみ使用可能。(ただしこちらもインスタントキャストできなくなっている。
・《ソーラー・ラース/Solar Wrath》:詠唱型単体攻撃呪文。《ムーンキン・フォーム/Moonkin Form》時にのみ使用可能。
・《サンファイア/Sunfire》:小範囲の範囲攻撃呪文。インスタントキャスト可能でDotつき。ただし攻撃力は低い。《ムーンキン・フォーム/Moonkin Form》時にのみ使用可能。)
フェラル・アフィニティ(Feral Affinity)
【パッシブ】
《フィライン・スウィフトネス/Feline Swiftness》:移動速度が15%上がる。
【アクティブ】
・《レイク/Rake》:敵単体に 出血(Bleed) のDotを撃ち込む。ステルス状態からの奇襲に成功した場合、ダメージは 100% 上昇し、相手を 4秒間スタンさせる。《キャット・フォーム/Cat Form》時にのみ使用可能。
・《リップ/Rip》:フィニッシング・ムーブ。敵単体に出血Dotを入れる。効果時間と総ダメージ量は費やしたコンボ・ポイントによって増減する。《キャット・フォーム/Cat Form》時にのみ使用可能。
・《フェロシオス・バイト/Ferocious Bite》フィニッシング・ムーブ。敵単体に大ダメージを与える。与えるダメージは費やしたコンボ・ポイントに依存。《キャット・フォーム/Cat Form》時にのみ使用可能。
ガーディアン・アフィニティ(Guardian Affinity)
【パッシブ】
《ティック・ハイド/Thick Hide》:受けるダメージを 6% 軽減する。
【アクティブ】
・《スラッシュ/Thrush》:範囲攻撃。攻撃が当たった相手に出血のDotを撃ち込む。《ベア・フォーム/Bear Form》もしくは《キャット・フォーム/Cat Form》時にのみ使用可能。
・《アイアンファー/Ironfur》:防御力を 7秒間 高める。《ベア・フォーム/Bear Form》時にのみ使用可能。
・《フレンズィド・リジェネレーション/Frenzied Regeneration》:レイジを使って自分自身を回復する。《ベア・フォーム/Bear form》時にのみ使用可能。
レストレーション・アフィニティ(Restoration Affinity)
【パッシブ】
《イセラズ・ギフト/Ysera’s Gift》: 5秒に一度、最大HPの3%を回復する。自分自身のHPがもし満タンだった場合、ランダムな味方を回復する。
【アクティブ】
・《レジュビネーション/Rejubenation》:対象の味方単体にHotを与える。変身を解除している状態でのみ使用可能。
・《スウィフトメンド/Swiftmend》:インスタントキャスト可能な回復呪文。対象の味方単体を即座に回復する。変身を解除している状態でのみ使用可能。
・《野生の繁茂/Wild Growth》:対象となった味方を中心に大範囲のHotをかける。変身を解除している状態でのみ使用可能。
トリビア
ドルイドは信仰や民族性に深い関わりのあるクラスです。そのためごく限られた種族しかドルイドを選択できません。WoWの世界観では、ドルイドは歴史に大きく関与しています。ハースストーンではおなじみの マルフュリオン ストームレイジ(Malfurion Stormrage) 率いるドルイドの軍勢は、10000年前 に大規模な戦争に参加しました。「ウォー オブ ジ エンシェンツ(War of the Ancients)」の名で知られる 10000年前 の大戦は、クイーン アジャーラ(Queen Azshara) 率いる魔法文明の帝国「カルドレイ エンパイア(Kaldorei Empire)」VS 自然崇拝のドルイドたち、という「メイジ対ドルイドのクラス間戦争」とも言える戦いでした。クイーン アジャーラ は事実上この戦いに敗北し、現在では旧神ン=ゾス(N’zoth) の影響でナーガの女王になっています。



ゴルドリン本人に会えました。
余談ですが、ウォーゲン(Worgen) の狼化の呪いの原因は、実はこのドルイドのフォームチェンジだったりします。狼の神獣「ゴルドリン(Goldrinn)」の力にあやかり、「パック フォーム(Pack Form)」に変身したドルイドは、自分の力を制御出来なくなってしまいました。そのためマルフュリオンは パック フォーム の使用を禁じる令を出したのですが、これに従わなかったドルイドたちが、結果的に ギルニーアス(Gilneas) に呪いをもたらす事になりました。「大鎌のドルイド(Druids of the Scythe)」がこの一派です。

作られたといわれる「エルーンの大鎌(Scythe of Elune)」です。
ウォーゲンのプレイヤーキャラは、人間の姿に戻る為のクエストの際に
このエルーンの大鎌を用いた儀式を経験します。
また、バージョン7 リージョン(Legion) では、
エルーンの大鎌は バランス スペシャリゼーションのアーティファクトとして
実際にプレイヤーキャラが手にする事になります。
大鎌の能力を起動すると、ヴァルシャラ(Val’sharah)のあちこちにいる
野生のウォーゲン(Feral Worgen) を
もとのナイトエルフに戻すこともできます。
ナイト エルフ(Night Elf) 自身は「ドルイドの祖」とでも言うべき存在です。しかしナイト エルフ から派生した他の3種族、ナイトボーン(Nightborn)、ブラッド エルフ(Blood Elf)、ヴォイド エルフ(Void Elf) は全てドルイドになれません。歴史的に見ればこれは割と必然で、10000年前の大戦 の際に魔法文明側の陣営だったのがナイトボーンだったのです。
ナイトボーンとは袂を分かち、大戦後に荒廃した故郷を離れてシルバームーン(Silvermoon) で魔法文明を継承した独自の文化を育んでいたのがブラッドエルフ。そしてブラッドエルフの文化では禁忌とされ封印されていた ヴォイド(Void) にまつわる研究をしていたため追放されてしまった一派がヴォイドエルフです。どの種族も 10000年前の事をいまだに根に持っているようです…。
逆に、ヒューマン(Human) 自身はドルイドになれないものの、ヒューマンが呪いで変化した ウォーゲンと、ジェイナ プラウドムーア(Jaina Proudmoor) の生まれ故郷である離島 クル ティラス(Kul Tiras) で独自の文化を形成していたヒューマン氏族 クル ティラン(Kul Tiran) はドルイドになれます。ホード側は トーレン(Tauren)、ハイマウンテン トーレン(Highmountain Tauren)、トロール(Troll)、ザンダラリ トロール(Zandalari Troll) という「出身地は違うけれど同じルーツを持つ種族」がドルイドになれるのに対し、アライアンス側ではかなり皮肉な種族構成になっています。
ちなみに、クル ティラン と ザンダラリ トロール は、フォームチェンジすると他の種族とは異なる姿に変身します。しかし性能は変わりません。
フォームチェンジについて
ドルイドは出来る事が多いため、操作が複雑になりがちです。汎用性が高い分、どんな状況でどのアビリティが役立つかはしっかり把握しておかなければなりません。
アクティブアビリティの多くはフォーム依存なので、どのフォームで何が出来るのか覚えておくと、それぞれのアビリティを把握しやすいでしょう。いくつかのアクティブアビリティはスペシャリゼーションやアフィニティ固有で、特定のスペシャリゼーションやアフィニティを選択していない場合には使えません。ただ、《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》以外のフォームには、スペシャリゼーションやアフィニティに関係なくいつでも変身できます。ですので致命的なダメージを受けそうな時に瞬間的に《ベア フォーム/Bear Form》に変身して被ダメージを減らしたり、敵と戦闘したくない時には《キャット フォーム/Cat Form》に変身して《プロウ/Prowl》で 隠れ身(Stealth) 状態になったり、屋外で移動する時に《トラベル フォーム/Travel Form》に変身して高速移動したりと、非常に小回りが利きます。これこそがドルイドが器用かつ万能と評される理由です。
また、違うフォームに変身する際に 移動不能状態(Root) を解除できる事を覚えておくと、特にPvPでは生存率が大きく変わります。ただ、逆に動物に変身中には《ハイバネート/Hibernate》で 睡眠(Sleep) 状態にされてしまうため、ドルイドの一番の天敵は、もしかするとドルイド自身になるかもしれません。
《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》(遠距離DPS)
- 呪文ダメージに +10% のボーナスがかかる。(バランス スペシャリゼーションのみ)
- 防御力(Armor) に +125% のボーナスがかかる。
- メイジの《動物変身/Polymorph》やシャーマンの《呪術/Hex》に対する耐性を持つ。
- 単体攻撃呪文の《太陽の怒り/Solar Wrath》と《スターサージ/Starsurge》、範囲攻撃呪文の《サンファイア/Sunfire》 と《ルナ ストライク/Lunr Strike》を使えるようになる。(バランス スペシャリゼーションは変身していなくても全ての呪文が使える。レストレーション は変身していなくても《サンファイア/Sunfire》と《太陽の怒り/Solar Wrath》を使える。)
- 《フラップ/Flap》を使えるようになる。
《キャット フォーム/Cat Form》(近接DPS)
- 自動攻撃のダメージに +40% のボーナスがかかる。
- 移動速度に +30% のボーナスがかかる。
- 落下ダメージが軽減される。
- メイジの《動物変身/Polymorph》やシャーマンの《呪術/Hex》に対する耐性を持つ。
- 隠れ身 状態になる《プロウ/Prowl》と、移動速度を短時間上昇させる《ダッシュ/Dash》が使えるようになる。
- 多くの近接単体攻撃技と範囲攻撃技を使えるようになる。《シュレッド/Shred》、《スラッシュ/Thrash》、《なぎ払い/Swipe》など。これらを使うとローグのようにコンボポイントが溜まる。
- コンボポイントを消費する強力な技「フィニッシング ムーブ(Finishing Move)」を使えるようになる。《リップ/Rip》、《フェロシオス バイト/Ferocious Bite》など。(スペシャリゼーション/アフィニティ依存)
《ベア フォーム/Bear Form》(タンク)
- 防御力(Armor) に +220% のボーナスがかかる。
- 最大HP(Stamina) に +25% のボーナスがかかる。ガーディアン スペシャリゼーションのみ +45% のボーナスがかかる。
- メイジの《動物変身/Polymorph》やシャーマンの《呪術/Hex》に対する耐性を持つ。
- 挑発(Taunt) 効果を持つ《グラウ/Growl》を使えるようになる。
- 防御力を短時間上昇させるBuffをかける《アイアンファー/Ironfur》を使えるようになる。(スペシャリゼーション/アフィニティ依存)
- 自己回復する《フレンズィド リジェネレーション/Frenzied Regeneration》を使えるようになる。(スペシャリゼーション/アフィニティ依存)
- いくつかの近接単体攻撃技と範囲攻撃技を使えるようになる。《マングル/Mangle》や《スラッシュ/Thrash》など。
《トラベル フォーム/Travel Form》
- メイジの《動物変身/Polymorph》やシャーマンの《呪術/Hex》に対する耐性を持つ。
- 飛べない場所ならばシカに変身する。パーティメンバー一人を乗せて高速移動できる。《ワイルド チャージ/Wild Charge》を使うと前方にジャンプできる。空中でも使えるので「エアダッシュ」できる。
- 飛べる場所ならば鳥に変身する。ただしパーティメンバーを乗せて飛ぶことはできない。
- 水中ならアシカに変身する。水中移動速度が高くなり、水中呼吸できるようになる。《ワイルド チャージ/Wild Charge》を使うと泳ぐスピードに 5秒間 +150% のボーナスがかかる。水から出ると自動的にシカや鳥に変身し直す。
また、ドルイドはスペシャリゼーションによって参照ステータスが変わります。ネコ科の猛獣に変身する フェラル と、クマに変身する ガーディアン が 敏捷性(Agility) 依存で、フクロウに変身する バランス と、変身せずに回復する レストレーション が 知力(Intellect) 依存です。武器は敏捷性か知力のどちらかのステータスしかサポートしていない場合が大半であるため、自分のスペシャリゼーションに見合った装備を整えるように心がけましょう。装身具(Trinket) も敏捷性か知力のどちらかしか対応していないものがありますので注意してください。
ドルイドの長所
- とにかく汎用性が高い。DPS(攻撃役)はもちろん、タンク(壁役)もヒーラー(回復役)もできるため器用かつ万能。スペシャリゼーションを切り替えるだけで全く別のキャラクターになるだけでなく、アフィニティのお陰で他のスペシャリゼーションからアビリティを継承できるため、ドルイドが全く役に立たなくなるような局面は滅多にない。
- 《プロウ/Prowl》で 隠れ身(Stealth) 状態になれる。ローグ自身以外でステルスミッションに同伴できるほぼ唯一のクラス。
- スペシャリゼーションを問わず複数の蘇生呪文が使える。特に《リバース/Rebirth》は戦闘中でも使用可能な稀有な蘇生呪文。
- もとの姿以外の全てのフォームでメイジの《動物変身/Polymorph》やシャーマンの《呪術/Hex》に対する耐性を持つ。
- 《トラベル フォーム/Travel Form》により屋外での機動性が全クラス中で最も高い。
- 他のフォームに変身する際に 移動不能状態(Root) を解除できる。そのためPvPに向いている。
- 落下ダメージに対する対策をいくつも持つ。
- 《ドリームウォーク/Dreamwalk》でメイジのテレポートのように世界各地を飛び回れる。ただし行き先は限定的で、テレポートできるのは本人のみ。メイジのポータルほど便利ではない。
- 《キャット フォーム/Cat Form》時に人型(Humanoid) と 獣(Beast) をミニマップ上で 追跡(Tracking) できる。追跡指定された相手はミニマップ上で赤や緑の点として表示される。PvPでは非常に便利。
- レストレーション がPvPヒーラーとして非常に高いポテンシャルを備える。
ドルイドの短所
- 出来る事が非常に多いため操作が複雑になりがち。特にどのフォームで何が出来るのかを把握するまでが非常に大変。初心者向きとは言い難い。
- 目的の技や魔法を使用するために変身しなければならない場合、「変身する」という一瞬のスキが複数の敵に囲まれた場合、ボス戦、あるいはPvPだと命取りになる場合がある。
- 使用可能なアビリティが多いため、アクションバーが埋まってしまいがち。
- 全てのスペシャリゼーションを最高の状態にまで育て上げるには膨大な手間と時間がかかる。特にフェラルとガーディアンが敏捷性(Agility) 依存なのに対してバランスとレストレーションが 知力(Intellect) 依存であるため、ダンジョンやデイリークエストの報酬で「ハズレ」の装備品を引いてしまう可能性がある。
- 全てのスペシャリゼーション用の装備を持ち歩いているとバッグを圧迫してしまう。
- 遠距離スペシャリゼーション二つはインタラプトが苦手。バランスの《ソーラー ビーム/Solar Beam》は範囲沈黙効果であるため強力だが、クールダウンが 1分 であるため連発できない。レストレーションに至ってはインタラプト手段がほぼ皆無。そのため相手次第では レストレーション シャーマン に回復役のお株を奪われる事もある。
スペシャリゼーションの方向性
基本的に全てのクラスが「スペシャリゼーション(Specialization)」と呼ばれる戦闘スタイルを3つ持っています。前述のとおり、ドルイドは例外的にスペシャリゼーションを4つも持つクラスです。スペシャリゼーションを切り替えるだけで、全く別のキャラクターになったかのように操作性や戦術をガラッと変えられます。しかもドルイドの場合はスペシャリゼーションを変更することで全く別の役割をこなせるため非常に便利です。スペシャリゼーションは戦闘をしていない状態でなら、基本的にいつでもどこでも変更できます。(ただしミシックダンジョンに挑んでいる時など、例外がいくつかあります。)

― バランス(Balance)/遠距離DPS
射程:遠距離魔法(Ranged Spell)
参照ステータス:知力(Intellect)
MPのタイプ:マナ(Mana) + アストラル パワー(Astral Power)
武器:両手持ち錫杖(Two-Hand Staff) or 片手近接武器(One-Hand Melee) + 魔導器(Off-Hand)


バランスは エレメンタル シャーマン に似た遠距離DPSです。《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》でフクロウ獣人に変身して戦います。前述のとおり、《ムーンキン フォームMoonkin Form》中には呪文ダメージに +10%、防御力に +125% のボーナスがかかります。また、バランス スペシャリゼーションのみ、《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》中に単体攻撃によるダメージを食らった場合、15% の確率で《ルナ ストライク/Lunar Strike》をインスタントキャストできるBuffがかかります。《ルナ ストライク/Lunar Strike》は強力な範囲攻撃呪文で、「アストラル パワー(Astral Power)」を溜める効果も持っています。そのため《ルナ ストライク/Lunar Strike》をインスタントで連発できると強力な呪文をガンガン撃っていけます。

バランス スペシャリゼーションはマナの他にシャーマンのメイルシュトロームのような「第二のMP」ともいうべき「アストラル パワー(Astral Power)」を持ちます。一番上の緑のバーがHP、一番下の青のバーがマナ、真ん中の水色のバーが アストラル パワー です。バランス スペシャリゼーション では回復呪文だけがマナを消費し、攻撃呪文はタダで撃てます。多くの攻撃呪文は アストラル パワー を溜める効果を持っており、アストラル パワー を 40 もしくは 50 消費すると強力な単体攻撃呪文《スターサージ/Starsurge》か、広範囲の攻撃呪文《星の雨/Starfall》を撃てます。
バランスドルイドはエレメンタルシャーマンとかなり似ています。しかしエレメンタルシャーマンと違って独自クールダウンを持つ呪文が少なく、同じ呪文を連続で使えます。ですのでエレメンタルシャーマンよりもかなり使いやすいかと思います。攻撃に移る前に《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》に変身すること、回復魔法を撃つ時には自動的に《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》が解除されてしまうので変身し直すのを忘れないこと、そして回復魔法を撃つ時に変身を解除してしまうと防御力 +125% の恩恵が一時的に失われる事にだけ気を付けてください。
もしも《ムーンキン フォーム/Moonkin Form》の見た目が気に入らなければ、「グリフ オブ スター(Glyph of Stars)」で外見を書き換えてしまえます。外見が変わっても性能は同じなのでご安心ください。

ちなみに、外見を書き換えても《フラップ/Flap》は使えます。呪文の見た目はほぼプリーストの《レビテート/Levitate》と同じになります。羽ばたかずに空中浮遊します。
― フェラル(Feral)/近接DPS
射程:近接攻撃(Melee)
参照ステータス:敏捷性(Agility)
MPのタイプ:エナジー(Energy) + コンボ ポイント(Combo Point)
武器:両手持ち近接武器(Two-Hand Melee)


フェラル ドルイド は アサッシネイション ローグ に非常によく似ています。《キャット フォーム/Cat Form》中にはローグと同じで エナジー(Energy) と コンボ ポイント(Combo Point) が表示されます。基本的に エナジー を消費する技を使って コンボ ポイント をため、溜まったコンボ ポイント を全て消費する「フィニッシング ムーブ(Finishing Move)」で強力な一撃を繰り出します。フィニッシング ムーブ の種類も アサッシネイション ローグ とほぼ同じで、「出血のDot(継続ダメージ)を与える」《リップ/Rip》、「相手をスタンさせる」《メイム/Maim》、「強烈なダメージを与える」《フェロシオス バイト/Ferocious Bite》の3種を備えます。タレント次第では アウトロー ローグ の《骰は投げられた/Roll the Bones》のように攻撃力強化のBuffをかける《獰猛な咆哮/Savage Roar》を習得することもできます。

一番上の緑のバーがHP、真ん中の黄色のバーが エナジー、一番下の赤いメダルが コンボ ポイント です。
アサッシネイション ローグ に比べて優れている点は、何といっても回復ができること。特にパッシブの《プレデトリー スウィフトネス/Predatory Swiftness》の効果で、フィニッシング ムーブ に費やした 1コンボ ポイント につき 20% の確率で「次の《リグロース/Regrowth》もしくは《エンタングリング ルーツ/Entangling Roots》をインスタントキャスト、タダ撃ち、かつどのフォームでも使用可能にする」という非常に大きな恩恵を得られます。つまり 5ポイント フルチャージしてから フィニッシング ムーブ を放つと、100% 確実に《リグロース/Regrowth》か《エンタングリング ルーツ/Entangling Roots》をインスタントでタダ撃ちできるわけです。回復魔法のタダ撃ちが強力なのは言うまでもありませんが、移動妨害の《エンタングリング ルーツ/Entangling Roots》のタダ撃ちはPvPでは絶大な影響力を持ちます。また、アフィニティでレストレーションを選択した場合、《スウィフトメンド/Swiftmend》、《レジュビネーション/Rejuvenation》、《野生の繁茂/Wild Growth》の「回復三種の神器」とも言える強力な呪文を習得できます。PvEではインスタントキャスト可能になった《エンタングリング ルーツ/Entangling Roots》や、メイジの《フロストノヴァ/Frost Nova》のように「複数の敵の動きを一斉に封じる」《マス エンタングルメント/Mass Entanglement》を使ったヒットアンドウェイの戦術が取れます。自分のHPが減ったら敵を足止めして距離を取って回復し、再び攻撃に移れるため、PvEではローグよりも圧倒的に優れた生存能力を持ちます。
アサッシネイション ローグと比べて劣っている点は、まず 隠れ身(Stealth) がローグほど得意ではない事が挙げられます。ローグの《隠れ身/Stealth》はクールダウンが僅か 2秒 なのに対し、ドルイドの《プロウ/Prowl》はクールダウンが 6秒 です。採掘(Mining) や 薬草学(Herbalism) で鉱石や薬草を採取してから 隠れ身 で立ち去りたい場合、ドルイドは採集作業が終わってから一瞬待たなければなりません。また、《退散/Vanish》で戦闘中でも 隠れ身 状態になれるローグに比べて、フェラル ドルイド は《インカネーション:キング オブ ジャングル/Incarnation: King of the Jungle》をタレントで習得しなければ戦闘中には 隠れ身 状態になれません。しかも《インカネーション:キング オブ ジャングル/Incarnation: King of the Jungle》は厳密には「戦闘中でも《プロウ/Prowl》を撃てるようにする」というBuffをかける技なので、《インカネーション:キング オブ ジャングル/Incarnation: King of the Jungle》を撃った後で《プロウ/Prowl》を撃つという二度手間になってしまいます。戦闘中に 隠れ身 状態になりたい場合は大概が一瞬のスキでも命取りになるような状況でしょう。そんな場合に複雑な手順を踏まなければならないのは大きなハンディキャップです。
他にも欠点を挙げようと思えば「《掏り取り/Pick Pocket》が使えない」、「隠れ身 から奇襲する場合のバリエーションが少ない」、「Dotがアサッシネイションローグほど強力ではない」、「タレントで《ルナ インスピレーション/Lunar Inspiration》を習得しなければ《キャット フォーム/Cat Form》中に遠距離攻撃する手段がない」など様々ありますが、アサッシネイション ローグ よりも エナジー の回復効率がいいので、戦闘中に息切れしにくいのが非常に大きな利点です。何よりもやはり回復魔法の存在はローグと決定的な差を作っています。ローグのステルスミッションに同伴する際、ガーディアンもしくはレストレーションをアフィニティに入れた フェラル ドルイド は最も優れたサポート役になるでしょう。
ちなみに、《キャット フォーム/Cat Form》の姿にはかなりバリエーションがあります。見た目の変更やコレクションもやり込み要素の一つとなっています。

― ガーディアン(Guardian)/タンク
射程:近接攻撃(Melee)
参照ステータス:敏捷性(Agility)
MPのタイプ:レイジ(Rage)
武器:両手持ち近接武器(Two-Hand Melee)


ガーディアン は プロテクション ウォリア のようなタンク(壁役)構成です。《ベア フォーム/Bear Form》中には 防御力(Armor) に +220% のボーナスがかかる上、最大HP(Stamina) にも +45% のボーナスがかかります。ベアフォーム中にはウォリアのように レイジ(Rage) が表示され、自分が攻撃するか、ダメージを受けるかした場合に レイジ が溜まっていきます。レイジを消費する技には強力なダメージを与える《モール/Maul》の他にも 「短時間防御力を上昇させるBuffをかける」《アイアンファー/Ironfur》や、自分自身のHPを回復する《フレンズィド リジェネレーション/Frenzied Regeneration》 があります。《ベア フォーム/Bear Form》中には《スラッシュ/Thrash》と《なぎ払い/Swipe》の二つの範囲攻撃が使えるので、《月の炎/Moonfire》で方々から敵を釣ってきては高い防御力で身を守りつつ範囲攻撃で一網打尽にするという暴力的な効率狩りができます。ガーディアン は ブラッド デスナイト と似た「ややDPS寄りのタンク」 であるため、雑魚敵を相手にする場合は問答無用の強さを発揮します。また、フォームチェンジによる持ち前の汎用性の高さのお陰でPvPでは非常に多彩な動きが出来るため、上級者に愛好者が多いです。アイテムレベルを極限まで高めたガーディアンドルイドは、下手をすれば6~7人という大人数を相手にしても生存できるだけのずば抜けた生存能力を発揮します。

上の緑のバーがHPで、下の赤のバーがレイジです。
ガーディアン ドルイド は プロテクション ウォリア に似てはいますが、《なぎ払い/Swipe》にクールダウンがないため連射できる上、《月の炎/Moonfire》に最小射程制限がないので近距離からでも撃てる関係で、プロテクション ウォリア よりも攻撃がしやすい特徴があります。基本的にプロテクション ウォリアが《シールド ブロック/Shield Block》で防御力を高めて身を守るように、ガーディアン ドルイド も《アイアンファー/Ironfur》を駆使して生存能力を高めます。しかも回復魔法が使える上に《フレンズィド リジェネレーション/Frenzied Regeneration》は《ベア フォーム/Bear Form》中でも扱えます。ですので回復能力は プロテクション ウォリア よりも圧倒的に優れています。
ただ、何らかの要因により《ベア フォーム/Bear Form》を解除されてしまうと、防御力が プロテクション ウォリア の 1/5 ~ 1/6 という致命的な値にまで落ちるため、この時にまとまったダメージを受けると即死する可能性すらあります。特に回復魔法の《リグロース/Regrowth》を使う場合は変身が解除されるので注意が必要です。《ベア フォーム/Bear Form》中にも使用できる《フレンズィド リジェネレーション/Frenzied Regeneration》で出来るだけ回復を賄えるようにすると生存率はぐっと上がるでしょう。
《キャット フォーム/Cat Form》と同じように《ベア フォーム/Bear Form》にもかなりのバリエーションがあります。自分の気に入った見た目を手に入れられるとプレイがより一層楽しくなるでしょう。

― レストレーション(Restoration)/ヒーラー
射程:遠距離魔法(Ranged Spell)
参照ステータス:知力(Intellect)
MPの呼称:マナ(Mana)
武器:両手持ち錫杖(Two-Hand Staff) or 片手近接武器(One-Hand Melee) + 魔導器(Off-Hand)


攻撃力が非常に低い代わりに支援能力が非常に高いヒーラーです。レイド戦では範囲回復が十八番のホーリープリーストに一歩及ばない局面もありますが、逆にPvPでは詠唱を必要としないインスタント回復呪文を数多く持っている関係で、むしろプリーストよりも活躍する可能性が大いにあります。
他のスペシャリゼーション同様に、基本回復魔法の《リグロース/Regrowth》はもちろん使えます。ただ、《リグロース/Regrowth》以外にも優秀な回復手段を大量に持っているため、むしろ他のスペシャリゼーションよりも《リグロース/Regrowth》を使う機会は少ないかもしれません。対象を瞬間的に大回復する《スウィフトメンド/Swiftmend》、対象にHot(時間経過で徐々に回復する効果)を与える《レジュビネイション/Rejuvenation》、周囲の味方にHotを与える《野生の繁茂/Wild Growth》は、アフィニティで他のスペシャリゼーションにも継承できる「回復の三種の神器」です。レストレーションはこれらの回復呪文をタレントで大幅に強化できるため、味方一人に集中的に回復効果を重ね掛けすると生存率を極端に高めることが出来ます。
PvPでは《ベア フォーム/Bear Form》に変身して防御力を上げたり、《キャット フォーム/Cat Form》や《トラベル フォーム/Travel Form》に変身して逃亡したり、回復の手が空いた時に《エンタングリング ルーツ/Entangling Roots》で相手の移動を封じたりと、相手を翻弄するトリッキーなアビリティを数多く備えます。さらにはフォームチェンジで 移動不能状態(Root) を解除できるので、フリーズメイジの凶悪な範囲攻撃も比較的回避しやすく、上手く立ち回れば複数の敵からターゲットされた場合ですらも生還出来るだけのポテンシャルを備えます。
難点はインタラプト手段をほぼ持たないこと。このせいで致命的な状態異常をかけてくる敵に対して有効な対策が出来なくなる可能性があります。あるいは自己回復するアビリティを持った敵を相手にする場合、元々攻撃力がものすごく低いせいでトドメを刺せなくなる事もあります。こういった場合は「痒いところに手が届く」が売り文句のシャーマンに回復役のお株を奪われる事もあります。
また、ごく一部のダンジョンのボスは「味方を洗脳して同士討ちをさせる」という非常に厄介な攻撃を仕掛けてきます。この時に レストレーション ドルイド がHotを全力でかけてしまっていた場合、「味方を殴って正気に戻す」作業を超強力な回復効果が全力で妨害してしまいます。ですのでそういったごく限定的な場合に限ってはプリーストやシャーマンに一歩出遅れる事もあります。