デスナイト

防具:板金鎧(Plate)
射程:近接攻撃(Melee)
参照ステータス:筋力(Strength)
MPの呼称:ルーニック パワー(Runic Power) + ルーン(Rune)
対応種族 ▼
― アライアンス

  • ヒューマン(Human)
  • ドワーフ(Dwarf)
  • ナイト エルフ(Night Elf)
  • ノーム(Gnome)
  • ドラナイ(Draenei)
  • ウォーゲン(Worgen)

― ホード

  • オーク(Orc)
  • アンデッド(Undead)
  • トーレン(Tauren)
  • トロール(Troll)
  • ブラッドエルフ(Bloodelf)
  • ゴブリン(Goblin)

※次のエキスパンションである バージョン9 シャドウランズ(Shadowlands) で アライドレース(Allied Race) や パンダレン(Pandaren) もデスナイトになれるようになる、という情報があります。ただしまだ未確定です。

概要

デスナイトはよく「DK」と略称されます。バージョン3 のエキスパンション「ラース オブ ザ リッチキング(Wrath of the Lich King)」で追加されたクラスで、他のクラスとはかなり異なる特徴を持ちます。

まず、キャラメイクするとLvが 55 からスタートします。そのため フライング マウント(Flying Mount) アンロックに必要な Lv60 にまであっという間に到達します。しかも 12スロット のバッグを初めから 4つ 装備しているため、しばらくはアイテムの格納場所に困りません。また、序盤はLvが 1 上がるごとに使用できるアビリティやタレントがすぐに増えていくので、少しプレイするだけで楽しみがどんどん増えていきます。最初から地上マウントが使用可能な上、Lv61 になると《オン ア ペール ホース/On a Pale Horse》を覚え、マウントの移動速度に +20% のボーナスがかかります。さらに Lv66 では《パス オブ フロスト/Path of Frost》を覚え、マウントしながらでも水上を移動出来るようになるため、飛行できない場所でもかなりスムーズに移動出来るようになります。デスナイトのこの特徴は、特別な実績を解除しなければ飛行できない バージョン6 以降のエリアでこそ真価を発揮します。これらの特性のお陰で、デスナイトは屋外ではドルイドに次ぐ機動力を持ちます。

とはいえ、デスナイトはクラス固有のイントロクエストの難易度がやや高いため、初心者向きとは少々言い難いです。特に リッチキング(Lich King) にまつわるストーリーをある程度知っていないと、イントロクエストがどのような意味を持つのか見失いやすいです。

デスナイトのキャラクターを作ると、 種族や陣営を問わずスタート地点が イースタン プレイグランド(Eastern Plaguelands) の上空に浮かぶ空中要塞「エボン ホールド:アケルス(Acherus: the Ebon Hold)」になります。プレイヤーキャラは、最初のうちはまだ リッチキング に精神支配されている状態で、イントロクエストの序盤ではリッチキングの企てに加担する事になります。しかしクエストの後半で ティリオン フォードリング(Tirion Fordring) の助けによりリッチキングの精神支配から解放され、自我を取り戻す事になります。そして自分の種族が所属する陣営の首都(ストームウィンドかオーグリマー)に移動し、後は他のクラスと同様に自由に活動出来るようになります。ここまでがクラス固有のイントロクエストです。

デスナイトは ルーン(Rune) と ルーニック パワー(Runic Power) という二つのMPを持つため操作が若干難しいです。体感としては「ローグの逆」のような感じで、メダル表示されている「ルーン(Rune)」を使って技を繰り出し、メーター表示されている「ルーニック パワー(Runic Power)」を溜めていきます。ですので基本的に ルーン と ルーニック パワー は戦闘中に反比例する関係になるかと思います。

一番上の緑のバーがHP、一番下のメダルが ルーン、真ん中の水色のバーが ルーニック パワー です。ルーンの最大値は 6 です。ルーン は時間が経つと 2ポイント ずつ回復し、逆に ルーニック パワー は時間経過で減少していきます。デスナイトは 1ルーン消費技 と 2ルーン消費技 を持ち、基本的に 2ルーン を一気に消費する技は強力で、ルーニック パワー をより多く溜める効果を持ったものが大半です。ルーニック パワー消費技 の代表格は《デス ストライク/Death Strike》で、ダメージを与えつつ自分のHPを回復する効果を持っています。スペシャリゼーションに関わらず《デス ストライク/Death Strike》を使えるため、基本的に「ルーニック パワー があれば自己回復できる」と考えていただければ大きな間違いはないかと思います。他にももちろん ルーニック パワー 消費技 はありますが、スペシャリゼーションによってどんなアビリティなのかは異なります。

デスナイトのこうした操作性は、人によって好みが分かれるかと思います。ルーン は「複数の技の共通クールダウン」と考えられるため、ルーン消費技 をどの順番でどう使っていくかをプレイヤーの好みで即興で変えられます。独自クールダウンを持つアビリティの多いシャーマンやウォリアよりも技の順番や連続使用回数に融通が利きますので、人によっては「シャーマンやウォリアよりもカンタン」と思うかもしれませんし、逆に「メーターがいっぱいあってフクザツ」と思うかもしれません。いずれにせよ、2ルーン消費技 を乱発しているとあっという間に ルーン が枯渇してしまうため、1ルーン消費技 や ルーニック パワー消費技 を織り交ぜて休みなく攻撃するのには少しコツがいります。慣れるまでには少々時間が必要かもしれません。

余談ですが、「ブリザードがお勧めするスペシャリゼーション」は アンホーリー(Unholy) になっています。Lv55 から始めるにしろ、クラス トライアル を使って Lv110 からスタートするにしろ、デフォルトの状態だと「大量のゾンビを従えて相手を袋叩きにする」というコンセプトの構成になっています。「飼い主が戦わなくてもゾンビが戦ってくれるから簡単でしょ?」と開発スタッフは思っているのかもしれませんが、個人的には「そんなことはない!」と強く思います。「ややDPS(攻撃役)寄りのタンク」である ブラッド(Blood) は防御力が高い上に優秀な範囲攻撃を持ち、「DPS特化型」の フロスト(Frost) は単体攻撃も範囲攻撃も非常に優秀で短期決着を望めます。アンホーリー は複数のゾンビを一気に召喚する必殺技《アポカリプス/Apocalypse》や《死者の軍団/Army of the Dead》のクールダウンが非常に長いため、最大出力は非常に高い反面で「全力で戦える時とそうでない時の差が激しい」という割と致命的な欠点を持ちます。ですのでもしもアンホーリー を使っていて「デスナイト、意外と弱くね?」とか「なんか思ってたのと違う…」と思ったら、早めに ブラッド か フロスト に切り替える事をお勧めします。「範囲攻撃が優秀な上に硬い」ブラッド は、デスナイトの3つのスペシャリゼーション中で最も人気があります。アウトロー ローグ のように二刀流で戦う フロスト はプレイング次第では技を連続で繰り出して非常に高いDPS(時間毎ダメージ)を維持できます。安定性がイマイチの アンホーリー は、どちらかといえば上級者向きのスペシャリゼーションだと個人的には強く思います。

デスナイトの大きな特徴として、スペシャリゼーションに関係なく《死の掌握/Death Grip》を使える事が挙げられます。《死の掌握/Death Grip》は相手を「手元に引き寄せる」ことができるアビリティです。PvE(NPCの敵との戦闘)では単に「敵を釣ってくるのに便利な技」に過ぎませんが、PvP(プレイヤーとの対決)では相手のヒーラーやメイジを自陣に引き寄せて味方総出で袋叩きにすることで戦況を変えてしまう事さえあります。また《ヒロイック リープ/Heroic Leap》や《グラップリング フック/Grappling Hook》や《ブリンク/Blink》で逃亡を試みるウォリアやローグやメイジを再度自陣に引きずり込んでトドメを刺すチャンスを作れます。そのためデスナイトはPvPでは非常にユニークな役割を持っています。

デスナイトは《ルーンフォージング/Runeforging》を使ってタダで武器にエンチャントを施すことができます。デスナイトの ルーン エングレービング(Rune Engraving) は プロフェッション(Profession) の エンチャンティング(Enchanting) と系列は同じで、「装備品に強化効果を施せる」というものです。ただし ルーン エングレービング でエンチャントできる強化効果は下記の3種類だけで、しかも武器にしか付与できません。エンチャンティング で作られた他の強化効果を付与したい場合、デスナイトの ルーン エングレービング とは共存できず、上書きしてしまいます。逆に エンチャンティング によって施された強化効果をデスナイトの ルーン エングレービング で上書きすることも出来ます。ただし、エンチャンティング のように「他人の武器防具に強化効果をかける」ことは出来ません。デスナイトが強化できるのはあくまでも自分の武器だけです。

  • ルーン オブ レーザーアイス(Rune of Razorice):自分の 冷気(Frost) ダメージを 91% 増加させる。攻撃対象は冷気ダメージ 3% 余分に受ける(自キャラによるダメージのみ)
  • ルーン オブ フォールン クルセイダー(Rune of Fallen Crusader):攻撃によりランダムで自分のHPを 6% 回復し、腕力(Strength) を 15% 上昇させる。
  • ルーン オブ ストーンスキン・ガーゴイル(Rune of Stoneskin Gargoyle):守備力(Armor) を 5% 上昇させ、全ての スタッツ(Stats) も 5% 上昇させる。両手持ち近接武器(Two-Hand Melee Weapon) にしかエンチャントできない。

エンチャンティング は「装備品を破壊して素材を獲得し、獲得した素材によって別の装備品を強化する」という非常にコストがかかるプロフェッションです。エンチャントの効果が施された巻物はオークションハウス等で他のプレイヤーから購入できますが、高価なものも多いです。デスナイトの ルーン エングレービング はそういった高価なエンチャントに決して見劣りしない強力な効果を持っているため、「タダでエンチャントできる」と考えるとかなりお得です。逆に言うならエンチャントし忘れると攻撃性能が目に見えて落ちますし、しかも《ルーンフォージング/Runeforging》を使うには《デス ゲート/Death Gate》を使って エボン ホールド:アケルス(Acherus: the Ebon Hold) まで戻らなければなりません。Lvが 98 以降にまで上がって、バージョン7 リージョン(Legion) のコンテンツを解放した後なら、エボン ホールド から ダララン(Dalaran) を経由してポータルで帰ってきやすくなりますが、それ以前では イースタン プレイグランド(Eastern Plaguelands) に行ったきりになってしまって、ハースストーン(Hearthstone) でも使ってテレポートで戻ってこなければ大変不便です。

デスナイトの長所

  • どのスペシャリゼーションでもかなり高い潜在能力を持つ。使いこなせれば非常に強力。
  • 前述のとおり 初期Lv55 からスタート。おまけに 12スロット のカバンを最初から4つ装備している。少しレベルを上げるだけですぐにフライング マウント 解禁の Lv60 に到達する。
  • スペシャリゼーションを問わず 挑発(Taunt) 効果を持つ技《ダーク コマンド/Dark Command》が使える。ウォリアと同様にPvEでは壁役になれる。
  • 魔術師に対してかなり有利に戦える。構成次第では詠唱妨害手段を3つないし4つも使える上に、離れて戦うのが基本の魔術師を自分の目の前まで「持ってくる」ことが出来る。
  • タンクもしくはDPSであるにもかかわらず、蘇生魔法が一応使える。
  • 《ルーンフォージング/Runeforging》のエンチャントが強力。しかもタダ。
  • 水上歩行魔法《パス・オブ・フロスト/Path of Frost》が非常に便利。

デスナイトの短所

  • ルーンとルーニックパワーが少々複雑で、使いこなすにはある程度のプレイヤースキルが必要になる。
  • 他のLv1からスタートするクラスト比較して、クラス固有の必須クエストラインの難易度がかなり高い。
  • WoWのストーリーをある程度事前に知っていないと、リッチキングにまつわるクラス固有の必須クエストがどういった意味を持つのか見失いやすい。
  • ルーンフォージのエンチャントをするためにいちいち エボン ホールド まで戻らなければならないのが少々面倒。エンチャントし忘れると攻撃力や基礎体力が目に見えて落ちる。
  • 徒歩での移動速度が遅い。《デス アドバンス/Death’s Advance》や《レイス ウォーク/Wraith Walk》である程度カバーはできるが、これらの移動速度ボーナスBuffをかけるアビリティがクールダウン中には素早く動けない。板金鎧(Plate) を着る重戦士の宿命。

スペシャリゼーションの方向性

基本的に全てのクラスが「スペシャリゼーション(Specialization)」と呼ばれる戦闘スタイルを3つ持っています。スペシャリゼーションを切り替えるだけで、全く別のキャラクターになったかのように操作性や戦術をガラッと変えられます。今のスペシャリゼーションがもしも自分に合っていないなぁと感じるなら、他のスペシャリゼーションに切り替えてプレイしてみましょう。スペシャリゼーションは戦闘をしていない状態でなら、基本的にいつでもどこでも変更できます。(ただしミシックダンジョンに挑んでいる時など、例外がいくつかあります。)

スペシャリゼーションは画面右下のこのボタンから変更できます。

― ブラッド(Blood)/タンク

武器:両手持ち近接武器(Two-Hand Melee)

ブラッド スペシャリゼーション はかなりDPS寄りのタンクです。「防御力を高めるBuffをかける」事、そして「受けたダメージを回復する」事によって自身の身を守ります。相手からHPを吸収するアビリティや、広範囲の敵を一斉に攻撃するアビリティを数多く有しています。また《ゴアフィーンド グラスプ/Gorefiend’s Grasp》で周囲の敵全てを根こそぎ自分の手元に引きずり込む事も出来ます。そのため 複数の敵をまとめて殲滅する事に特に秀でており、暴力的な効率狩りができます。この特徴が多くのプレイヤーから愛好され、デスナイトの3つのスペシャリゼーション中では最も人気があります。

《死と腐敗/Death and Decay》や《ブラッド ボイル/Blood Boil》などの範囲攻撃が主力攻撃手段です。防御の常套手段は「攻撃しつつ防御力を上昇させる「ボーン シールド(Bone Shield)」のBuffをかける」《マロウレンド/Marrowrend》と、「攻撃しつつHPを回復する」《デス ストライク/Death Strike》になります。ボーン シールルド(Bone Shield) は 30秒間 持続し、10回分 までスタックしておけます。ダメージを一度受けるごとに 1スタック を消費しますが、《マロウレンド/Marrowrend》を一発撃つごとに 3回分 のチャージを得られます。ボーン シールド Buffの残りスタックをしっかりチェックして、なくなりそうになったら《マロウレンド/Marrowrend》でボーン シールド Buff のチャージを補充しなければならないため、扱いはやや難しいかもしれません。装備が整うまではあまり無茶な事はしない方がいいかもしれませんが、逆に装備が整いさえすれば、アイランド エクスペディション(Island Expedition) などの狭い地域に敵が密集している場所では大虐殺ができます。下手をすれば 30匹 ぐらいの大群をかき集めてきてもソロで処理し切れてしまうので、人気の理由もうなずけます。

弱点は盾が持てない事で、最大防御力では防御特化型タンクであるプロテクションウォリアに一歩及びません。ボーンシールドがかかった状態であっても防御力の最大値はプロテクションウォリアの大体3/4といったところでしょう。レイドボスのような超強敵を相手にする場合、若干の不利が否めません。レイドボスの超強烈な攻撃は、防御特化のタンクが受けてもたった一撃でHPを 5割 ぐらいもっていく事もしばしばです。しかもレイドボスは防御力も非常に高いため「与えたダメージ分回復する」という ブラッド デスナイト の回復戦術が上手く機能しません。そのためレイド戦に限ってはウォリアやパラディンのような防御特化型のタンクに一歩遅れを取りそうです。ただ、プレイング次第ではレイド戦を全くやらないという選択もアリですから、通常のPvEでダメージ効率を取るなら ブラッド デスナイト の方が優れている点が多いです。

― フロスト(Frost)/近接DPS

武器:片手近接武器(One-hand Melee) ×2/二刀流(Dual Wield)

フロスト スペシャリゼーション は エンハンスメント シャーマン とフューリー ウォリア と フロスト メイジ を足して三で割ったような存在です。エンハンスメント シャーマン や アウトロー ローグ のように二刀流で戦いますが、フロスト メイジ のような遠距離の範囲攻撃も持っています。他のスペシャリゼーションと同様、《デス ストライク/Death Strike》で攻撃しながら自己回復出来るため、生存能力も比較的高いです。しかもタレント次第では範囲攻撃能力を フューリー ウォリア と同程度にまで高められます。さすがに 両手持ち武器(Two-Hand Melee Weapon) で二刀流するような離れ業は出来ませんが、パッシブアビリティの効果が非常に強力なため、装備品が満足に揃っていない段階ではむしろ フューリー ウォリア よりも攻撃力が勝ります。

フロスト デスナイト は強力なパッシブ効果を幾つも持っている上にそれぞれの効果が強力にシナジーしています。一つの技が別の技を強化し、強化された技を撃つとさらに他の技が強化されるという連鎖反応が起きるため、流れに乗って次々に攻撃を繰り出していくことで高いDPS(時間毎ダメージ)を維持できます。扱い方が上手ければHPを吸収する攻撃《デス ストライク/Death Strike》を要所要所で挟むことによって、タンクの真似事のようなことまでできます。さすがにブラッドほど硬くはない上に、ブラッドの《死と腐敗/Death and Decay》に比べるとフロストの範囲攻撃は効果範囲がやや狭いため、ブラッドの陰に隠れてしまっています。しかし単体に対するダメージ効率ではブラッドを大きく上回りますし、潜在能力は非常に高いです。

キャラクターの「上」に表示されている効果が、遠距離範囲攻撃の《ハウリング ブラスト/Howling Blast》を強化するエフェクトです。キャラクターの「横」に表示されている効果が、強力な単体攻撃の《抹殺/Obliterate》か、近接範囲攻撃の《フロストサイス/Frostscythe》を強化するエフェクトです。(《フロストサイス/Frostscythe》はタレント技です。)《ハウリング ブラスト/Howling Blast》を撃つと《抹殺/Obliterate》や《フロストサイス/Frostscythe》が強化されたり、《抹殺/Obliterate》や《フロストサイス/Frostscythe》を撃つと今度は《ハウリング ブラスト/HowlingBlast》が強化されたりという事が頻繁に起こるため、エフェクトに対応した技を連発する事で凄まじいダメージを連続で叩き出します。ブラッドがあまりにも特徴的なため、フロストの使用者はさほど多くはありません。しかしタレント次第では強力な範囲攻撃能力を獲得できる事は十分注目に値します。

― アンホーリー(Unholy)/近接DPS

武器:両手持ち近接武器(Two-Hand Melee)

アンホーリー スペシャリゼーション は エンハンスメント シャーマン と デモノロジー ウォーロック の中間的存在と言えます。大量のゾンビを従えて数の暴力で敵を蹂躙するという見た目も効果もえげつないコンセプトの構成です。

アンホーリー デスナイト は、フロスト メイジ の《ウォーター エレメンタル/Water Elemental》のように、《レイズ デッド/Raise Dead》でゾンビを召喚して一緒に戦わせることができます。タレント次第では追加で骸骨の弓兵を従える事もできます。これらの ミニオン(Minion) はハンターやウォーロックのミニオンと同じで、恒久的に付き従ってくれます。ただしゾンビは 挑発(Taunt) 能力を持たないため、残念ながら防御用には使えません。そのためハンターやウォーロックに比べてペットの性能は大きく劣ります。

アンホーリー最大の武器は3ルーン消費の強力な必殺技《アポカリプス/Apocalypse》と、8分 もの長いクールダウンを持つ《死者の軍団/Army of the Dead》です。どちらも エンハンスメント シャーマン の《野獣の精霊/Feral Spirit》や 、デモノロジー ウォーロック の《ハンド オブ グルダン/Hand of Gul’dan》のような「短時間で消えてしまう手下」を複数召喚する技です。《アポカリプス/Apocalypse》は最大 4体、《死者の軍団/Army of the Dead》は 8体 ものゾンビを召喚して戦わせます。アーティファクトパワーやタレントなどをゾンビ生成ボーナスに全振りして《アポカリプス/Apocalypse》と《死者の軍団/Army of the Dead》を同時展開した場合、なんと最大 15体 にも及ぶ大部隊をたった一人で従えることが出来ます。しかもアーティファクトパワーによっては、これらのゾンビが「時間切れ」になった瞬間に爆発四散して周囲にダメージをばら撒くようにも出来るため、見た目も凄惨な「地獄絵図」としか形容できない状況をたった一人で作り出せます。

弱点はゾンビが挑発を持っていないせいで飼い主にダメージが集中しがちな事と、何よりも《アポカリプス/Apocalypse》や《死者の軍団/Army of the Dead》のクールダウンが非常に長い事が挙げられます。《アポカリプス/Apocalypse》のクールダウンは 1分半、《死者の軍団/Army of the Dead》に至っては 8分 もの長時間リキャスト出来なくなります。そのため全力で戦える時とそうでない時の差が激しく、安定性がかなり低いのは目に見えた欠点と言えるでしょう。また、《アポカリプス/Apocalypse》や《死者の軍団/Army of the Dead》で生成したゾンビが余計な敵を釣ってきた後に「時間切れ」になった場合、ヘイトが飼い主に集中するため一時的に非常に危険な状態になります。ゾンビが生き残っている間に敵を根絶やしに出来れば理想的ですが、撃ち漏らした場合は《レイスウォーク/Wraith Walk》で逃げる準備をするなど、何らかの対策が必要になるかもしれません。最大出力が高い分、かなり重大な欠点も抱えているので上級者向きの構成と言えるでしょう。